[Research Guide/マーケティング・リサーチのフローを易しくご説明いたします。]


5.『回収・集計』

回収された調査票には必ずといって良いほど記入ミス、記入もれ、つじつまの合わない回答、偽りの回答があります。
まずはそうした個所を発見し修正しなければなりません。
ではどのようなところに気をつけて調査票をチェックすれば良いのでしょうか。それを検討します。
この時点でどれだけのミスを発見にできるかによって、その後の集計作業、分析作業で得られるデータに違いがでます。
人は不思議とコンピュータの画面上で見る数値やそこからアウトプットされる数値に関してはあたかもそれが正しい数値で あるかのように錯覚してしまいます。
つまり間違った数値がでてもそれに気がつかないことが多いものです。
苦労して得たデータが無意味なもの、さらには誤っているものであればそれまでの苦労も経費も水の泡になってしまいます。
どうか細心の注意を払って取り組んでください。

[一般的な手順]

@ エディティング
A コーディング
B データの入力

【エデティング(Editing)】
回収された調査票の記入内容を点検し、間違いを修正する作業で、通常次の2段階を経る。

@ 個々の調査票を点検する段階で目視によって誤りや記入漏れを検査し修正する。
A データ入力後、コンピュータによって入力漏れ矛盾回答を検査し修正する。
● 文字の判別,未記入の修正

● 明らかに嘘とわかる回答の修正
・例えば、職業に「主婦」を回答しているにもかかわらず,年収に「1,000万」と回答している場合
・一つだけ選択する質問(SA)でふたつ以上の選択がある個所の修正
● 三つまで選択できる質問で四つ以上の選択がある個所の修正

● 矛盾のある回答の修正
・例えば、ある商品を知らないと回答していながら、その商品のイメージなどには答えている場合

【コーディング(Coding)】
回収された調査票の記入内容(主に日本語表記の部分)を数字やアルファベットに変換し、コード化する作業。 自由回答のコード化を行う作業にも用いる。

注意事項:
※エディティングやコーディングを行う作業員には調査の内容を十分に理解させること。
※修正箇所やコード化には作業員の主観が入らないようにすること

【データの入力】
データ量があまり多くない場合は、パソコン上で一般の表計算ソフトやデータベースソフト、入力エディターソフトを使用して入力することも可能でしょう。

ただしデータ量が多い場合はデータの入力を専門とする会社に委託するほうが効率は上がりますし、入力の精度も高いでしょう。

[ MEMO ]
【集計について】

現在では社内にパソコンがあるのが常識ですし、アンケート集計や統計用のアプリケーションも低価格で購入することができます。
よほどの統計手法を用いない限り一般の表計算ソフトやデータベースソフトなどで集計を行うことも可能となっています。

また市販のアンケート集計専用アプリケーションを用いれば、多次元クロス集計のほかに数量値のカテゴライズ化やちょっとしたデータ加工も可能です。

複雑な統計解析や多変量解析を行うとしても
SPSS for Windows(Statistical Product and Service Solutions)
などの市販アプリケーションを用いることにより、ほとんどの作業をデスクトップで行うことが可能となっています。

【集計と分析の違い】

私たちは普段、何気なく「集計」という言葉や「分析」という言葉を使います。
市場調査に関する書籍を読むと「集計分析」とひとくくりにしている表現に出会うこともあります。

どちらも似たような意味に捉えられているのが現状ですが、集計と分析では意味がまったく異なるのです。

集計とはひとつひとつの数字を積上げていく作業であり、その結果です。
売上高の合計や年収の合計などはすべて集計です。

これに対して分析とはひとまとまりのものを分解してその性質をみる作業であり、原因の追求です。

まとめていくのが集計で、分けていくのが分析と考えれば、これらは逆の意味を持っていることがわかります。 集計は積上げる作業、分析は掘り下げる作業なのです。

ここで”笑えない調査の話”をひとつご紹介しましょう。
ある調査担当者が調査報告で「男性より女性の方が○○だった」、「20代より40代の方が○○だった」、「関東より関西の方が○○だった」、と様々な 傾向を発見しそれを述べたのですが、誰かが「なぜ?」と質問したとたんに担当者は何も答えられなくなってしまったのです。

集計だけを行ったためにこのような結果となってしまいました。
集計が積上げる作業でありその結果であることを知らなかったのです。

調査の目的は実態を捉えると同時になぜこうなったのかを知ることです。
そしてその原因を突き止めることによって今後のマーケティングに役立てるのです。

「なぜを問うこと=原因の追求」、それは分析の領域なのです。

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